COLUMN

ベランダからの雨漏り|水が入りやすい5か所と、防水のやり直しの目安

雨上がりのベランダの床と排水口を、室内の入口から確認する住人のイラスト

ベランダの真下の部屋や、ベランダに出る窓のまわりが濡れて困っている方へ。

SUMMARY

結論:まず排水口のつまりを見て、次に床のひび・はがれと、手すりの上・窓の下・壁との境目を確かめます

ベランダからの雨漏りでいちばん手軽に確かめられるのは、排水口(ドレン)のつまりです。 ごみや落ち葉で水が流れないと、床に水がたまり、ふだんは水がかからない所から入ります。

つまりが無いのに濡れるなら、床の防水の層のひび・はがれ、手すり壁の上、掃き出し窓の下、外壁との境目を疑います。 防水をやり直すかどうかは、年数だけでなく、ひび・はがれ・ふくらみが出ているかで判断します。

傷んだ所には乗らず、手すりから身を乗り出さないでください。 いま室内に水が落ちているなら、先に雨漏りの応急処置をご覧ください。

5 POINTS

ベランダで雨水が入りやすい5か所

ベランダの排水口、床の防水のひび・はがれ、手すり壁の上、窓の下、床と外壁の境目を示す5つのイラスト
  1. 上段左:排水口(ドレン)
  2. 上段中央:床の防水のひび・はがれ
  3. 上段右:手すり壁の上(笠木)
  4. 下段左:ベランダに出る窓の下
  5. 下段右:床と外壁との境目
傷んだ所には乗らず、手すりから身を乗り出さないでください。

ベランダは、屋根と違って人が歩き、物を置き、水が床にたまりやすい場所です。 国土交通省が公開している、新築住宅の保険のための基準(住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準。以下「保険の基準」)でも、ベランダの床は水が流れるように 1/50 以上の傾きをつけ、次のような所に水止めをするよう決められています。

① 排水口(ドレン)

落ち葉や砂、洗濯物の糸くずがたまって水が流れないと、床に水がたまり、ふだんは水につからない高さまで水が上がります。排水口のまわりは、床の防水と排水の部品がつながる継ぎ目でもあります。

保険の基準でも、排水口の取り付け部分は、防水の層を補強して水止めをするよう決められています。それだけ水が入りやすい所です。

② 床の防水の層(ひび・はがれ)

ベランダの床には、雨水を通さない防水の層があります。ここが割れたり、はがれたりすると、床の下に水が回ります。

FRP防水材工業会の資料では、防水の層の割れ・はがれは「直接漏水に繋がるおそれ」がある不具合とされています。割れは床と壁の角や継ぎ目に、はがれは端の部分に出やすいそうです。

③ 手すり壁の上(笠木)

手すりの壁の上には、雨よけの板(笠木:かさぎ)がかぶせてあります。継ぎ目や、とめている釘・ねじの所から入った水は、壁の中を伝って下の部屋に出ることがあります。

保険の基準では、笠木を釘やねじでとめるときは、防水の層を貫く所に水止めをするよう決められています。

④ 掃き出し窓の下

ベランダに出る大きな窓(掃き出し窓)の下は、床からの高さがあまり取れない所です。床に水がたまると、窓の下から部屋の側に入りやすくなります。

保険の基準では、壁との境目の防水の層を、窓の下では 120mm 以上、ほかの壁では 250mm 以上立ち上げることになっています。窓の下は、ほかより低い決まりです。

⑤ 外壁との境目

ベランダの床と外壁がぶつかる角や、エアコンの配管・照明の配線が壁を抜ける穴のまわりも、すき間ができやすい所です。

外壁のすき間を埋めるゴム状の材料(コーキング)の切れも入口になります(コーキングで止まるかどうかは別の記事にまとめています)。 (雨漏りは塗装やコーキングで止まる?)

室内のどこが濡れたかで、疑う場所の見当をつける

表は横にスクロールできます。

濡れた所・出かた まず疑う場所
ベランダの真下の部屋の天井(真ん中あたり) 床の防水の層、排水口
ベランダの真下の部屋の、外壁ぎわの天井や壁 外壁との境目、手すり壁の上(笠木)
ベランダに出る窓の下の床や、窓の下の壁 掃き出し窓の下、排水口のつまりで水がたまった
大雨のときだけ、急に出る 排水口のつまり・水の流れきれなさ

※目安です。雨水は、入った所から離れた所に出てくることがあり、原因が1つとは限りません。 ベランダ以外(外壁・窓・屋根)や結露のこともあります。見分け方は 雨漏りの原因の調べ方にまとめています。

WATERPROOFING

ベランダの床の防水は、おもに3種類

ベランダの床の防水には、おもに次の3つがあります。どれも、防水の層で雨水を止めています。 保険の基準でも、ベランダの防水にはこれらの工法(や金属の板など)を使うことになっています。

FRP防水

液状の樹脂にガラス繊維のマットを組み合わせて固めた、継ぎ目のない硬い層です。木造住宅のベランダの防水として、国や住宅金融支援機構の仕様書にも載っています。表面に保護の塗料(トップコート)を塗って仕上げます。

(FRP防水材工業会の説明による)

ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を塗って固め、ゴムのような弾力のある層にします。形が入り組んだ所にも塗りやすい防水です。こちらも表面を保護の塗料で仕上げます。

(日本ウレタン建材工業会の説明による)

シート防水

塩化ビニルなどのシートを床に貼って、継ぎ目を熱などでつなぎ合わせる防水です。

(合成高分子ルーフィング工業会の説明による)

ご自宅がどれか分からなくても大丈夫です。建てたときの書類(仕様書や図面)に書いてあることがあります。 分からなければ、調べに来た人に聞いてください。

TODAY

今日できること(安全なことだけ)

  1. 排水口のまわりのごみ・落ち葉を取る

    手の届く範囲で、排水口と、そこへ続く溝のごみや落ち葉を取り除きます。床は、ほうき・デッキブラシ・スポンジなどでこすり、汚れが落ちなければ中性洗剤を使って、よく水で流します。金属のたわしやワイヤーブラシは、防水の層を傷つけるので使わないでください(防水材の業界団体の案内による方法です)。

  2. 床・排水口・手すりの上・窓の下を写真に撮る

    ひび、はがれ、ふくらみ、水たまりの跡があれば、近くからと少し離れた所からの両方を撮っておきます。室内のしみも、同じ日に撮ってください。

  3. 雨のあとに、水たまりが残る場所を見る

    雨がやんでしばらくたっても水が残っている所は、床の傾きや排水の具合がよくない目安になります。場所と時間をメモしておくと、調べるときの手がかりになります。

  4. 物干し台・植木鉢・物置の下にゴムマットを敷く

    重い物や角のある物を直接置くと、防水の層を傷めます。業界団体の案内でも、ゴムマットなどを下に敷くよう呼びかけられています。土を入れた鉢から水が出続けないようにもしてください。

  5. 室内に水が落ちているなら、水を受けて家財を動かす

    バケツで受けて、濡れて困るものを離します。手順は応急処置の記事にまとめています。 (雨漏りの応急処置)

しないでください

ふくらんだ所・はがれた所・ぶよぶよする所に乗る
床の下の木が水を吸って傷んでいることがあります。体重をかけると、防水の層がさらに破れたり、床が抜けたりするおそれがあります。
手すりから身を乗り出す・屋根や庇に出る
手すりの外側や、窓の上の庇(ひさし)、1階の屋根に出るのは危険です。濡れた防水の層はとても滑ります。
ひびにテープや補修材を重ねて、そのままにする
一時しのぎにはなっても、どこから入っていたかが分かりにくくなります。補修材を使うなら、あとで調べる人に「どこに何を塗ったか」を伝えてください。 (雨漏り修理は自分でできる?)
排水口に水を勢いよく流し込む
つまりがある状態で大量の水を流すと、あふれた水が窓の下や壁の境目から入ることがあります。ごみを取るのは手でできる範囲にしてください。

WHEN TO REDO

防水のやり直しの目安

防水のやり直しは、年数よりも「いまの傷み方」で考えるのが基本です。 FRP防水材工業会は、防水の傷みを次の3つに分けています。

防水の層が割れている・はがれている

業界団体の資料で「直接漏水に繋がるおそれ」があるとされている状態です。早めに調べてもらいましょう。

防水の層がふくらんでいる・浮いている・すり減っている

すぐに漏れるとは限りませんが、状況によっては防水の働きに悪い影響が出るおそれがある状態とされています。

表面の保護の塗料(トップコート)が割れている・はがれている・薄くなっている

防水の層を守っている表面の傷みです。防水材の業界団体は、異常があれば施工業者に連絡するよう案内しています。

室内に雨漏りが出ているなら、上の3つのどれに当たるかに関係なく、水の入口を調べてもらう段階です。 表面の塗料の塗り直しで済むのか、防水の層からやり直すのかは、調べてから決まります。

年数の目安:防水の層のやり直しは「15年前後」

床の防水の層をやり直す目安は、15年前後です。

この数字は、次の3つの資料のいずれにも出てきます。

  • 日本建築学会の検討(日本ウレタン建材工業会のページに掲載):ウレタン・FRP・シートの防水とも 15年
  • 日本ウレタン建材工業会「ウレタン防水Q&A」:表面の塗料を塗り直していれば 15年程度もつ(屋上の例)
  • 国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」:マンションのバルコニー床の防水の修繕の周期の例 12〜15年

これとは別に、表面の保護の塗料(トップコート)は、傷み具合に応じて3〜5年ごとの塗り替えが勧められています(日本ウレタン建材工業会)。

※年数は目安です。15年たっていなくても、ひび・はがれ・ふくらみがあれば早めに見てもらってください。

建ててから(買ってから)10年たっていない家なら、先に建てた会社か売主に連絡してください。 住宅品質確保法で、新築住宅の売主や建てた会社は、雨水の浸入を防ぐ部分の欠陥について10年間の責任を負うことになっています。

WHO TO ASK

どこに相談するか

持ち家(戸建て)なら

ベランダの床の防水なら防水工事店、窓や外壁との境目もあやしいなら工務店やリフォーム会社が目安です。 どこから入っているか分からないときは、原因を調べてから直してくれるところを選んでください。 依頼先ごとの違いは雨漏り修理はどこに頼む?にまとめています。

マンションなら、まず管理会社か管理組合

マンションのベランダ(バルコニー)は、多くの場合、建物みんなの「共用部分」で、そこに住む人が使う権利を持っている形です。 国のマンション標準管理規約では、次のように分けています。

  • 掃除など、ふだんの使い方に伴うお手入れ:そこに住む人(使う権利を持つ人)が行う
  • 年数がたって傷んだ所の直し(計画修繕):管理組合が行う

実際の決まりは、建物ごとの管理規約によります。下の階に水が出ているときも、ご自身で業者を呼ぶ前に、 管理会社か管理組合に連絡してください(修理を頼む前に、まず確かめる3つ)。 国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、バルコニーの床の防水の修繕の周期を 12〜15年の例で示しています。

賃貸なら、大家さんか管理会社

借りている家なら、ご自身で業者を呼ぶ前に、大家さんか管理会社に連絡してください。 排水口の掃除のような、ふだんのお手入れは続けておきましょう。

火災保険について

台風などの自然災害で傷んで雨漏りした場合は、火災保険の対象になることがあります。 年数がたって防水が傷んだ(経年劣化)場合は対象外です。 「保険で直せます」と訪ねてくる業者には気をつけてください。 くわしくは雨漏りに火災保険は使える?をご覧ください。

KYOTO SEASONS

京都では、梅雨と台風の前に排水口を見ておく

気象庁の平年値(1991〜2020年の平均)で、京都の雨の多い時期を見てみます。

梅雨(6〜7月)

京都の平年の降水量は 6月 199.7mm、7月 223.6mm で、7月が1年でいちばん多い月です。

雨が続くと、排水口が少しつまっているだけでも水がはけきれず、床に水がたまりやすくなります。梅雨に入る前に、排水口のまわりを掃除しておきましょう。

台風のころ(9月)

近畿地方に台風が近づく数は、平年で年に3.4個。月別では9月の1.1個がいちばん多くなります。京都の9月の降水量は平年 178.5mm です。

強い風で飛んできた葉やごみが排水口をふさいだり、雨が横から吹きつけて、手すりの上や窓の下に水がかかったりします。台風が来る前に、排水口のまわりと、飛ばされそうな物を片づけておくと安心です。

台風のあとにベランダの真下の部屋が濡れたら、写真を撮ってから相談してください。 自然災害が原因かどうかを考えるときの手がかりにもなります。

BEFORE YOU ASK

相談するときに伝えるとよいこと

分かる範囲で、次のことを伝えていただくと、原因の見当がつけやすくなります。

  • 濡れている部屋(何階のどの部屋か)と、その上や外側がベランダのどのあたりか
  • 雨漏りに気づいた日と、そのころの天気(強い雨・横なぐりの雨・台風のあとか)
  • ベランダの床・排水口・手すりの上・窓の下の写真と、室内のしみの写真
  • 建物のおおよその築年数と、ベランダの防水を前にやり直した時期(分かれば)
  • 排水口を掃除したら変わったかどうか

京都やねリフォームにご相談いただくと、お住まいのエリアを担当する施工店が、現地で原因を調べ、お見積りをお出しします。 担当する施工店は1社だけです。 ご契約・お見積り・保証・ご請求は、担当施工店とお客様との間で直接行います。

ベランダの真下の部屋が濡れて原因が分からないときは、京都やねリフォームにご相談ください。お住まいのエリアを担当する施工店が、現地で原因を調べます。

070−8456−4032

受付時間 平日・土日祝 10:00〜19:00

時間外はフォームから承ります。翌日の朝一番にご連絡します。

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FAQ

よくいただくご質問

ベランダの防水は、何年ごとにやり直すものですか?

床の防水の層をやり直す目安は、15年前後です。日本建築学会の検討、日本ウレタン建材工業会の資料、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドライン(マンションのバルコニー床で12〜15年)のいずれにも、この数字が出てきます。表面の保護の塗料(トップコート)は、これとは別に3〜5年ごとの塗り替えが勧められています。年数は目安なので、ひび・はがれ・ふくらみがあれば早めに見てもらってください。

ベランダの排水口は、自分で掃除してもいいですか?

手の届く範囲のごみや落ち葉を取るのは、ご自身でできる大切なお手入れです。ほうきやスポンジなど柔らかい道具を使い、金属のたわしやワイヤーブラシは避けてください。手すりから身を乗り出したり、屋根や庇に出たりはしないでください。

表面の塗料(トップコート)を塗り直せば、雨漏りは止まりますか?

表面の塗料は、その下の防水の層を守るためのものです。防水の層そのものが割れたり、はがれたりして雨漏りしている場合は、表面を塗り直すだけでは止まらないことがあります。雨漏りが出ているなら、まず水の入口を調べてもらってから、直し方を決めてください。

マンションのベランダから下の階に雨漏りしました。誰が直すのですか?

マンションのベランダは、多くの場合「共用部分」で、住んでいる人は使う権利を持っている形です。国の標準管理規約では、掃除のようなふだんのお手入れは住んでいる人が、年数による傷みへの対応は管理組合が計画修繕として行うとされています。実際の決まりは建物ごとの管理規約によるので、まず管理会社か管理組合に連絡してください。

ベランダの雨漏りに、火災保険は使えますか?

台風などの自然災害で傷んだ場合は、対象になることがあります。年数がたって防水が傷んだ(経年劣化)場合は対象外です。くわしくは「雨漏りに火災保険は使える?」の記事をご覧ください。

SOURCES

この記事の出典

電話で相談 070−8456−4032 フォーム 24時間受付